米国マイクロソフト社の創業者であるビル・ゲイツ氏が今後20年間で、自身の全財産にあたる約29兆円を発展途上国などでの貧困、感染症などの対策に充てると発表しました。

 彼は、以前から、財団を設立し、そこを通じて発展途上国への支援を続けていたことで有名でありましたが、今回、全財産を投入することに対して、「金持ちのまま死んだと言われたくない」とのコメントを残しています。

 世界から貧困や飢餓を無くし、多くの人々がある程度の生活を送れるようになれば、紛争や戦争は無くなり、多くの人々が幸せを求められる人生を歩むことが出来ると私は思っています。その為には、世界の富の大部分を保有している富裕層が積極的に貧困層への支援を実施することで、可能であると主張して来ました。

 それにも関わらず、各国の権力者や富裕層は富の偏在、貧富の格差を是正することをせずに、他国や一般民衆から富を巻き上げることに熱心で、富の奪い合いで世界の紛争は絶えることはありません。自分達さえ裕福な暮らしが出来ればとの利己主義が蔓延しているのです。しかし、多数の一般国民、市民が生活に困窮すれば、必ず、争いが起こり、最終的には戦争につながることになるのです。

 利己主義の行き着く先は、結局、誰もが被害を被るような大きな争いになってしまうのです。もしかしたら第三次世界大戦級の世界的な紛争に突入してしまうかもしれません。核の脅威からは誰もが逃れられないのです。権力者や金持ちはシェルターで生き延びれると思っているかもしれませんが、廃墟となった地球では、どんな人でも幸せに暮らせる環境は無くなるでしょう。つまり誰もが幸せを追求出来る為には、世界規模の平和が必要なのです。それをいち早く実現する最も効果的な策が富裕層から貧困層への富の移転なのです。

 ビル・ゲイツ氏はそのことを理解している賢者なのだと思います。約25兆円もの財産があれば一生好きに暮らせると思えますが、金だけでは幸せになれないことを理解しているのでしょう。

 他の多くの富裕層が自身の人生では使いきれないほどの富を有していても、それを貧困層などの為に活用するという発想がどうして出てこないのか不思議です。確かに米国では、金持ちが寄付をすることは多いと思うのですが、それはそれでいいことなのですが、今まで程度であれば不充分であると理解すべきだと思います。ビル・ゲイツ氏のように自分の豊かな生活に必要な富以外くらいをすべて支援に回すことが必要なのです。

投稿者

弱虫語り部

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)