文明が成熟して築かれる理想の世界は、世界人民総意の法律によって支配されるものだと思います。
現在、各国が憲法などの自国の法律を保有している他、国際機関につらなる国際法が存在しています。
しかし、残念ながら、国際法に照らして、各国の動きをコントロールすべき国連などの機関が有効に機能しているかと言えば、ノ-です。だいたい、すべての国が国際法の支配を前提にした国際司法裁判所に加わっている訳でもありません。米国、ロシア、中国などの大国は加盟していません。また、国際司法裁判所で下した判決を行使する権限も力も無く、実質は無法だと言っても過言ではありません。
それでは、どうして世界全体を支配する国際法が出来ないのでしょうか。各国の法律は、その国の事情をベースに出来上がっています。そして、独裁的な国家では、独裁者が自分の考える通り、法律を作ったり、形式的に議会や選挙によって法律を制定したり、改訂したりする一連のプロセスを踏むように見せかけてはいても、実質、権力者の意図通り、法律が決められていることもあるのです。そのような権力者にとつて、国際法に准ずるなど、自分自身の首を絞めることになりかねないので、とうてい、国際法を定めたり、それを遵守することなどありえないのです。
それらの独裁的な国家では、権力者の考えが法であり、国際的な紛争なども力(武力)によって支配されるべきものだと考えているのです。それで、以前のプログでも述べましたように、核兵器を最終目標とした軍事力を高めることを一番としているのです。
自国内では、自分のやりたいように国を支配し、対外的には、力で自分の地位、富を守ろうとするのが独裁者、権力者のやり方なのです。人間は全知全能の神ではありませんので、個人が力で支配すると、ミスもしますし、自分や身内の為の判断をしますので、国民は幸せにはなれませんし、国際的な対立を招くのは避けられないのです。
確かに、広い地球全体を細かいところまで、共通の考え方で統一するのは、無理がありますが、人民が幸せになれる土壌を作る為の最低限のルールは世界共通の物です。人を殺してはいけない、盗んではいけない、騙してはいけないなど、誰もが納得出来るルールは存在するのです。しかし、そのような共通ルールを基盤とした国際法を定められないということは、この人間としてのシンプルなルールさえ、権力者は守れないからなのです。
米国、ロシア、中国は国際司法裁判所に加盟していないとお伝えしましたが、彼らは彼らの行ないが人類に共通する基本ルールさえ守れないと分かっているからなのです。
だから、彼らは膨大な軍事力を背景にしてしか、物を言えないのです。この真実をこれらの国に住む国民は認識しないといけません。そのような政府が、一国民のことを考えてくれる訳はありません。フェアに事を進めるべきと考えて行く訳でも無いのです。国の為と大義名分にしていますが、国とは、彼らの所有物であり、国民の為ではありません。自分の所有物として、自分の好きなように支配し、自分の欲望を満たすことを目的に、国民を利用し、他国をその支配に対する利害関係でしか見ないのが本音なのです。
そのような観点で、我々は為政者、権力者を見て行かなければならないのです。そうすれば、彼らの甘い言葉の裏にある真実を垣間見ることが出来るようになります。
そして、本当に世界人民共通の法が支配する世界を作ることが理想なのです。力の支配が行われている現在の世界は、核兵器が存在する以上、いつ破滅してもおかしくないのです。そして、それにより必要な軍事費と軍事衝突により被った被害額を人類全体の生活の為に使えれば、どれだけ多くの人達が豊かに暮らせるか、考えてみてください。