参議院議員選挙で自民党が敗北を喫し、党内から石破首相への責任問題追求の動きが活発化しています。石破氏が自民党の総裁である以上、自民党の選挙結果に対して、責任をとるべきだと言う論理なのでしょう。私自身、石破首相を擁護したいとも考えていませんが、自分達で選んだ総裁を一年も経たない内に、挿げ替えようと言うのもあまりに節操が無いのか、自民党は大した組織ではないと宣言したいと思っているのか、いずれにせよ、このような政党であるから、国民に愛想をつかされたのではないのでしょうか。その本質的な問題に対して、どうするかを真剣に考えなければならない状況であることを忘れてはいけないと思います。

 今回の石破首相への退陣圧力はあくまで、政治家間の損得勘定の話から出ている内輪での動きです。こんなとき感じますのは、これだけ国民が生活に困窮していたり、国際的な圧力に晒されていたり、災害級の気候変動に直面したりといろいろな重要な問題に直面していることより、自分達の選挙の方が大事だと思っていることを明らかにしているだけではないでしょうか。

 そんなことではなく、国民の立場に立って、今何をすべきかを真剣に考え抜いていくことに、自民党内部の議論が沸騰するのが、本来の姿ではないのでしょうか。

 本来は自民党のこれからの改革に提言すべき立場の人間であるべき青年局長とか、元幹事長とか、前述したような視点を抜きに、単に石破氏は辞めるべきだと騒いでも国民へは何のアピールにもなりません。この難局で政治として何を為すべきかを示して、それが石破氏と相容れないのであれば、そこではじめて石破氏を自民党総裁から引きづり降ろして、もっといい考え方の人間を担いだらいいのではないでしょうか。

 日本の政治家のレベルが低いと内外からも揶揄されていますが、選挙でどれだけ議席をとれるかということには熱心でも、国民の生活の為に何をすべきかという点が浅はかだから、結局は選挙に負けているということに気付いていないのでしょうか。

 一番は選挙に勝って、議員という立場を得ることだと言う本音が見えています。だから、小手先の選挙戦法で、総裁、執行部を批判するしかないのでしょう。国民の生活を何としてでも良くするという具体的な考えをきちんと国民に明示出来れば、政権を持っているのですから、一番実現可能性が高いと、国民の支持を得られ、結果として選挙にも勝てた筈です。その中身があまりに自分よがりで効果的ではないから、有権者が離れて行ったのです。

 いつまで、このような茶番劇を見せられるのでしょうか。と言って、野党もそれぞれの考えを言いっ放しで、他の野党と建設的に議論し、基本的な核だけでも作って、連立し、政権を獲ろうとするような知恵も努力も無く、そちらも茶番劇を演じて、少しでも議席を増やすことで満足していて、真に国民の為になる政策を具現化することなど、どうでもいいのでしょうか。

 本当に素晴らしい政策案を発想し、交渉術に長けた人間がいれば、他の党をも論破し、統一した考え方にまとめ上げられると思います。残念ながら、そのような人材が今の政界にはいないのではないのでしょうか。国民民主党、参政党、日本維新の会、れいわ新選組、日本保守党と国民に好ましいことは言えても、それを実現するだけの能力が乏しい人達なのかもしれません。

投稿者

弱虫語り部

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