自民党総裁選挙で五人が正式に立候補しました。そして、各局のテレビで五人が揃って司会者の質問に答える番組が放送されていました。
物価対策への対応等、色々な質問に各自がそれぞれ答える形式が多かったです。一言でまとめますと、これらの内容からは鮮明な違いが分かり難い感じがしました。一番印象に残ったのが、裏金問題に端を発した政治と金の問題についての質問への回答でした。複数の立候補者が、自民党としてこの問題へ充分に対応していると判断していて、これ以上の対応は必要ないと言う回答をしたことでした。自民党としての処分が課せられ、そして、その後の衆参選挙を経て、当選した議員は有権者から信任された、信任されなくて落選した議員もいたが、今いる議員は禊を果たしたと言うことでした。
このような独善的な認識こそ、自民党が参議院選挙で敗北した大きな要因であると思います。多くの国民は自民党の対応が生温い、そして政治資金規正法の改正に満足していないと思います。今回の候補者もそのことに全く気付いていないとは思えませんが、彼らは、総裁選の一票を持っている自民党議員達のことを強く意識しているのだと思います。自民党の現職議員の中には、これ以上、政治と金のことを追求して欲しくない者もいるでしょうし、政治資金規正法がさらに透明性を増すことを善しとしない議員も少なからず存在するからです。
要するに、総裁選に勝つために、自民党議員の方、それも己の地位に固執している議員達を見ていて、国民の方は疎かにしていると思えるのです。確かに、総裁選に勝つことは目前の目的だと思いますが、そうだからと言って、国民よりそんな議員達を優先するような人間に総裁、首相になって欲しくはありません。しかし、現実は、そのような人間が議員票を集めて、総裁になるかもしれません。総裁は、自民党と言う政党のリーダーだけに留まるのであれば、まだ仕方ないとも思えますが、ことが日本のリーダーとなると、このような現実は認められないと思います。
今後もこのようなことで、日本のリーダーが決まるのであれば、日本のリーダーの選出方法を変えなければならないと思うのです。色々な国で実施しているような、国民による直接選挙で日本国のリーダーを決めた方がいいのかもしれません。
そうすれば、その日本国のリーダー選挙においては、候補者は国民の方を向かざるを得なくなるからです。
本来ならば、選挙方法に関わらず、最も国民の為になるリーダーが選出されるべきですが、日本の政治家達は結局、自己の為、権力や富の為に政治家を目指す人間が多過ぎて、今回のような本末転倒の姿を見せてしまうのです。そのことにちっとも恥じずに、堂々とテレビに出て来る根性の持ち主達が、どうも国の政治を牛耳っているのが現実のようです。