最近の自民党の総裁選挙戦、与野党の連立への攻防、そして、公明党の連立離脱などの政界の動きを見ていますと、またまた何か大きな違和感を感じています。
それは何かと考えてみますと、この一連の動きに登場する政治家達の言動、振る舞いから来るものでした。
彼らの焦点は、如何に権力を手にするか、如何に有利な立場になろうかということにしか向かっていないように思います。まあ、猿山のボス争いのような、権力闘争でしかないような気がします。彼らの言い分は、自分達の政策を実現する為には、権力を握ることが重要だから、この闘いも、最後は国民の為になると思っていると、自己を納得させているのでしょう。
しかし、現在の国民の状況はそんな悠長なことを言っておられるほど良い状態ではありません。日々の生活の中で、物価は上がり続けています。それなのに、国民の収入はジリ貧状態です。現役世代も年金生活の高齢者も、どれだけ切り詰めても、先が見えない苦難の日々に、生きて行くことに疲れている人も少なくはないでしょう。給料や年金がほんの少し増えたというのはまるでマヤカシで、税金や社会保険料がいつの間にか増額されていて、実質収入は下げ続いています。その中で、ほとんどの物価や電気代などの公共料金も上がっているのです。
このような状況を生んでいるのは、政治の対策が進んでいないからだと思います。物価高の背景にある、為替、関税、気候変動などの要因にも無策な状態が続いています。伊東市では市長の自分勝手な対応に、大きな政治空白が生じていると問題視されていますが、国政の場でも、同じような空白が続いているのです。
そんな非常事態なのに、各党は、自分達の有利さを実現すべき連立などについての攻防で、それぞれが言いたいことを主張し、何としてでも出来るだけ早く国民の為に緊急に何をすべきかという観点が非常に希薄だと思います。
彼らは、政党の為に物を考えるのを止めるべきです。議員全員、国民の代表という共通機能を担っているのですから、一旦、政治理念や基本政策の細かい差異について、云々するのを止めて、現状の困窮した国民生活を緊急的に打破する為に集まり、そして、議論し、具体的な政策を作るべきで、そのことに挙党体制で進めようと、声を上げる真のリーダーはどこにいるのでしょうか。
彼らの態度から感じるのは、自分達は特に毎日の生活に困っている訳でもないから、緊急性を心底からは理解出来ていず、まるで、封建時代や軍国時代の、将軍、天皇主権の時代の役人たちが、民に施しをしてやっていると考えているような高い所から見下ろしている特権階級の人間であるかのようです。
口では、民主主義国家で国民主権と言いますが、その優越的な立場にいる人間の本音が、高市氏、麻生氏など自民党の幹部達からも、玉木氏のような野党の幹部達からも感じられるのです。
もしそうでないと言いたいのなら、今すぐ、重箱の隅をつつくように揚げ足をとりあうようなやりとりは止めて、緊急的に国民を救う為の政策実現の為に与野党、党などの垣根を越えて、一致協力しましょうと、臨時国会を開き、喧々諤々議論し、挙党体制で出来るだけ早く、緊急対策をまとめ上げるべきです。
まずは、それが出来てから、今のような党利党略の動きをしたらいかがですか。一番、情けないのは、それぞれがそれぞれの主張を言いっ放しで、何も具体的なことを進めていないことです。そのような人達は、議員では無く、評論家というものです。
そのことにどうかいち早く気付いてください。裸の王様たちよ。
権力を単に握っているから偉いのではなく、その権限を国民の為に使ってはじめて国民から敬われるのです。