ガザ地区のイスラエルとハマスの戦闘が停止されて時間が経ちますが、未だ両者の攻撃により死傷者が出ているようです。お互い、相手の停戦協定違反があると非難していますが、そんなやられたらやり返すのような勝手な行動は一刻も早く止めてもらいたい。ガザの人々に本当の平和が訪れるのを願うばかりです。
さて、先日、NHKで、ガザ市民でNHKの現地特派員の男性の開戦から今日までのドキュメントが放送されていました。取材対象はガザ市民とガザの街です。イスラエル政府とハマスがお互い、自分達の言い分を主張し、戦闘を継続していた間、ガザ市民がどんな状況であったかを知らせるものでした。
イスラエルはハマスを攻撃するが、市民は狙っていないと終始主張して来ました。しかし、現地の学校や病院など、避難者や負傷者の最後の砦になっていた建物へも、イスラエルの攻撃は容赦なく実行され、幼い子供や女性も含め、多くの市民が死傷した姿に、戦争の不条理、悲惨さに非常に情けなくなり、胸が苦しくなりました。イスラエルの言い分はそれらの建物がハマスの隠れ拠点となっていたと主張していますが、映像に映される死傷者はごく普通の市民であるように見えました。亡くなった子供を抱きかかえたり、また白い布に包まれた死者のそばから離れられない家族や友人の姿に、どうしてこのような人達が犠牲になるのか、やるせなさに押し潰されるようでした。そして、さらに辛いことには、救援物資がガザ市民に潤沢には届かず、それで特に深刻な食糧不足に陥り、食料炊き出しのときの大混乱(弱い者は、地面にばら撒かれた僅かな食料を砂と一緒に掬っていました)や、唯一届く空からの救援物資の投下に競い合い、群がる人々の姿を見なければならないことです。人間、極度に飢えてしまうと、秩序なんて保てる訳はありません。このような状況に陥れたイスラエル、ハマスの権力者達はいったい市民のことをどう考えているのでしょうか。
イスラエルやハマスの幹部達はこの姿を見ていないのでしょうか。人々の上に立つリーダーや幹部は何の為にこのような殺戮をしているのでしょうか。弱い市民を守る為に戦っているのであればまだしも、自分達の領土、地位争いの為に、多くの市民を犠牲にしていることに何も感じないのでしょうか。
戦争は決して一般の民衆の為になりません。権力者や富を独占している者達が、本当はその自分達の権力と土地と富を守る為には相手を殺戮し、力でそれを成し遂げようとしているだけではありませんか。人種や宗教の違いをまやかしの大義名分としているだけのように感じられるのです。多分ガザ地区の市民もイスラエルの市民も、そんなことより、日常的な平穏を望んでいるのだと思います。
イスラエルの多くの市民も、ハマスによって同胞が殺されたり拉致されたことには抵抗しているとは思いますが、その報復として、ガザ市民を悲劇のどん底に陥れたいと考えているひとは少ないと思います。
このような非情な行動を実行出来るのは結局自分達の権力や富を優先する権力者と富裕層なのだと思います。
我々庶民はこのことを理解すべきです。我々庶民にとって戦争など暴力で物事を解決することほど愚かなことはありません。平和的な解決こそ、多くの民の為になる最良の結果を導き出してくれる唯一の方法なのです。