最近、リチウムイオン電池の発火事故が続いています。さらに、ゴミ収集・処理設備での、ゴミに紛れて捨てられたリチウムイオン電池の爆発が大きな問題となっています。ある処理場では、設備の復活に40億円以上の費用が必要だそうです。たった一人の迂闊な行動でこれだけの税金をかけなければならなくなったのです。

 現在、リチウムイオン電池は多くの製品に搭載されていまして、身近な所では、スマートホン、モバイルバッテリー、携帯型扇風機などに多数の使用者が存在します。携帯型扇風機は安価な物が多く出回っていて、簡単に購入することが出来、また、安全性を度外視し、安全基準を満たしていない安価なリチウムイオン電池を搭載しているものもあり、それらが事故の発生を増やしていると思われます。

 物質が不足していた昭和初期以前の時代では、極力、物を捨てずに使い尽くしたり、再利用が進んでいて、廃棄されるゴミの量は非常に少なかったのですが、戦後、高度成長期以降、社会に物が溢れ、物を大事にするという風習は廃れ、使い捨ての製品も増えて、多くの物がゴミとして廃棄されるようになりました。併せて、技術の進歩も非常に早くなり、かつては原材料は自然由来のものばかりだったものが、現代では多くの人工物を原材料として使用し、自然の処理サイクルでは分解されないプラスチックなどや、それらの加工品が多くなり、その廃棄が色々な問題を生んでいます。

 冒頭のリチウムイオン電池のような危険物と成り得る製品の投棄、自然に分解出来ないプラスチックなどの河川海洋投棄による生態系への悪影響の問題は未だ解決しているとは言えません。また、身近な問題として、気軽に街角にゴミを捨てるという行為も、あちこちに見られます。これらの問題は自治体などの行政の問題でもありますが、本質的には我々市民ひとりひとりの問題であると認識しないと、無駄な税金や労力ばかりが浪費されてしまうと言うことを理解していない人間が多くいます。

 今も、我々は税金の負担に苦労していますが、その税金の使われ方における無駄を減らすことが出来れば、もっと税金を軽くすることが出来ると思います。このゴミ問題も無駄な税金を多く使っている原因となっていることに気付いていない人が多くいると思います。ゴミのルールを守らないことや、ゴミの捨て場所では無い所に気軽にゴミを捨てることがどれだけの税金の無駄遣いにつながっているかを考えるべきです。

 冒頭の例で、リチウムイオン電池を一般ゴミとして廃棄し、ゴミ処理場の設備が故障したことで、多くのお金がかかると言う話をしましたが、たった一人の人間が罪の意識も無く、気軽に起こした行動により、その人の多分生涯報酬の十倍以上にもなる税金がかかってしまう現実をどう思いますか。誰が犯人か特定するのが、非常に困難であるから、適当にしていいと言うのは大きな間違いです。本来、もっと意味のある市民サービスに使用出来た筈の税金をこんなに多く無駄にしていることを知るべきです。河川や海洋に投棄されたプラスチックなどが自然を汚染していて、それへの対策にどれだけの労力と金がかかっているかを考えてください。嫌、お金をかけても取り戻せないレベルの世界的な汚染となっている現実をどう思うのでしょうか。

 ひとりひとりは大した悪意も無く、ちよっとした気持ちで起こしたことかもしれませんが、気軽にそのような行動を起こしてしまうことで、とんでもない税金がかかってしまうのです。税金を減らしたいと思うのであれば、一人一人の市民は社会のルールを守らないといけないのです。個人個人のレベルでルールを守ることが出来れば、この社会は今よりかなり豊かになるのです。

 その為に、小学校や中学校でこのことを徹底的に生徒全員の頭に叩き込むことが必要です。ゴミを捨てないようにとか、ルールを守りましょうとか、綺麗事だけを教えても従わない人は多いと思います。その行動で、無駄な税金が大量に使われ、それにより、自分達の税金がこんなに高くなっているのだと言うことまで教えないといけないのです。

 物価が高いと嘆くのもいいのですが、そして、それは政府や役所のやり方が拙いことが原因となっているのは間違いないと思いますが、そうだからと言って、自分達がいい加減な行動をとったことで、無駄な税金を多量に使っているということを決して忘れてはいけません。自分で自分の首を絞める行為ほど愚かなことはありません。

投稿者

弱虫語り部

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