ミラノ・コルティナ冬季オリンピックが閉幕しました。競技での、各選手の技術、精神力の高さにはいつもいつも驚かされます。しかし、最も印象に残ったのは、国境を越えた人々の数々の関わり合いでした。
例え、国が違っても、ライバルであっても、同じ競技に打ち込んだ者同士が分かり合える感覚を持っている同士のつながりは、勝敗を越えての理解、共感、尊敬、敬意、友情、愛情、様々な感情がほとばしる姿に、人間の理想的な関係を想起させられます。
この中で、重要なポイントは、共感という言葉です。人間は己を守る為に、利己的な行動を起こし易いものです。それが、喧嘩になり、争いになる訳ですが、逆に、相手の立場を理解し、慮ることが出来れば、競い合いの場であっても、平和の感情が生まれるのです。
今でも、国と国や民族間、宗教間での争いは絶えません。その争いの根源には、自分達の立場、考えこそ正しいと妄信する人間達が存在するのです。自分の欲望を達成しようと考える権力者達は、そのような人間の心理を巧みに利用し、人々を分断させ、憎み合わせ、そして争わそうとするのです。
だから、平和な世界を作る為には、世界中の多くの人々が、異なった国、民族、宗教、思想を持っていたとしても、一般民衆のレベルで交流し、相手の考え、立場に触れ、それをお互い理解しようとする態度が重要だと思います。普通の人間的な感覚を持つ人であれば、戦争で銃口を向けられるのは相手のことを知らないから出来ることです。だから、お互いのことを知り合うことが本当に大切なのです。だから、オリンピックのような環境の場にあれば、人間、共感という感情が生まれ、友好的に関係を築けるようになるのです。
オリンピックのような民衆レベルでの交流を見ていますと、助け合いをすれば戦争など全くする必要がないことを実感出来るのです。相手のことを知ると、自分達と変わらず、競技という人生の目的となるようなことに打ち込み、その為にも平和を愛し、真面目に一生懸命生きているのは、どこでも同じであることが理解出来るようになるのです。
逆に、対立を煽り、そのことを戦争や侵略の理由にする権力者や特権、富を保有する層の策略が、交流を妨げ、相手のことの真実を隠そうとするのです。真実はどんな国であろうとも、他人に害を与えることなど望まない善良な市民が少なくない数存在しているのです。だからこそ、広く正しい情報が公開されることが非常に重要なのです。情報統制などはあってはならないのです。確かに、間違った嘘の情報は排除すべきですが、それを言い訳にして、権力者にとって真実ではあっても不都合な情報を遮断するのは謀略以外の何物でも無いのです。
我々は、そのことをしっかりと認識し、偏見を持たずにものを見るようにしたいと思います。我々庶民ひとりひとりの平和への強い思いが、社会の悪に惑わされずに、相手の立場、考えに耳を傾け、共感を感じた先に、平穏な世界が築かれるのです。