10年超の超長期国債の金利が上昇しています。買い手不足と国の財政悪化への懸念が原因とされています。いずれは5年物、10年物と言った長期国債の金利上昇へもつながることが予想されます。国債の金利は銀行の貸出金利や住宅ローンの金利などにも影響するので、私達の生活への影響も大きいと思われます。
国債は国の支出を補う為に発行されるものですが、国の年間収入の10倍を超える債務となると、通常の財政状態の範囲を逸脱しているものだと思われます。それでも、主に日銀や国内の金融機関が国債を買い支えていることや、国が債務より多いかなりの資産を保有していると言うことで、直ちに財政破綻につながることは無いということが言われています。しかし、そうであったとしても、これほどの割合で国の予算を補填することを続けることに慣れきってしまった今の予算編成状況を放置していくことに大いなる懸念があると思います。
どのような組織体であれ、収入と支出のバランスを取らないとその活動の意味を問われるのは当然なのですが、日本国の収支は異常だと言わざるを得ません。これはひとえに、政権を担当していた政治家達の無能、無策が原因と考えます。
国が抱えている課題に対応する為には金がいるんだ、それが税収では賄えないのだから、国債を発行して補うしかないのだと言う発想から抜け出せ無い、抜け出す知恵が無いことが問題なのです。
元々、国民からお金を集め、国民の生活を支えることに支出するのが原点であります。しかし、悪しき前例主義からなる固定された既存の使い道の上に、経済問題、安全保障問題、環境問題、災害問題、福祉問題などという次々に発生する新たな課題に対応する為にお金が必要だから、使わざるを得ないのだと開き直っているのが、今の政治家達なのです。彼らが考えることは財務省主体で進めているどうしたら税金をもっととれるのかと言うことには関心が高いのですが、どのような支出を削減すべきかと言う知恵と行動力が無さ過ぎるのです。
民主党政権のとき、聖域無き財政点検と旗が振られたことがありましたが、理念はその通りなのですが、やはり、知恵と行動力が不十分でありました。米国でも、第二次トランプ政権でイーロン・マスク氏が主体となって、厳しい財政見直しを始めようとしましたが、あまりにも急激に進めようとしたことで反発が多く、上手くは進まなかったようです。税金で潤っている既得権益を持つものの抵抗はかなりの物ですので、ことを急ぐと大きな抵抗に会うのが常なのでしょう。
そうなのです。この社会がなかなか変わらないのは、甘い汁を吸っている既得権益者が、国全体のことより、個々の利益を優先するからなのです。
既得権益者と言っても、様々な人間が関与しています。ある程度裕福な生活やいろいろな特権を享受出来ている人間すべてなのです。政治家や高級官僚もその範疇に入っていますので、今の歳出を大きくは見直したくないでしょう。
そういう自分本位の人間が国を動かすような地位についていることが問題の核心なのです。自分よりも国民のことを優先すべきと、自分を犠牲にしてでも実行しようとする人種の人間が国を動かす地位に就くことが一番のポイントだと思います。そして、そのような思いに賛同して、いろいろな知恵を出せるような人材を集めなければならないのです。
今の議員達は自分達の待遇、権利には手を付けずに、ひたすら国民の為、国民の為と叫ぶだけで、有効な方策を出せずにいます。そのような行動を見ていれば、彼らの本心が見えて来るのですが、多くの国民は甘い言葉に期待し、そのような人間を当選させてしまっているのです。国民の側から言えば、そんな人間しか立候補しないのだから、選びようがないとも言えます。
本当に自分を犠牲にしてでも、国民の為に働きたいと言う人間達だけを政界を目指させるようにする唯一の手段は、議員の報酬、権利、待遇を庶民レベルにすることなのです。そうすれば金目当ての大部分の今の議員を排除することが出来ると思います。