湖の畔を歩いていますと、様々な鳥たちが、餌を探して、くちばしで地面をしきりにつついている光景を頻繁に目にします。ほとんどいつ見ても、鳥たちはそのような活動をしていることが多いのです。動物にとって、餌を探して、生をつなぐことは日常生活のほとんどの時間を占める行為なのです。それくらい、野生動物の生活は厳しいものなのです。それを見ていますと、例え貧しいとは言え、その日その日の食べ物には困っていない生活に感謝せざるを得ません。人類が長い歴史の中で、勝ち得たものだと思います。もともと人類も飢餓の状態の方が、食べるに困らない状態より多かったと思います。その証拠に、生命活動を少しでも維持しようとする為に、血糖値を高めるホルモンは多数存在しますが、血糖値を下げるのはインシュリンしかないことからも、そのようなことが伺えるのです。
現代でも、世界人口の一割弱はまだ満足に食料を確保出来ていないようですが、幸いにも、日本では、餓死するような状況の人は非常に稀です。これを最低限の幸せだと感じるか、そうでないかは、そのひとの感じ方次第ですが、私自身は非常に恵まれていると感じています。しかし、そうは思わない人も多く、もっと豊かな生活の為に、他者から搾取する人もあれば、自分の境遇に愚痴ばかり発する人もあれば、自分より豊かな人を羨む人もあります。確かに、お金があればあるほど、贅沢な暮らしが出来ると思いますが、それが幸せの条件かと言うと残念ながらそうではありません。幸せはお金だけでは買えないものだと思います。人間は感じ方、考え方で、幸せへの感受性が大きく異なるのです。
今回のように、鳥たちの生活を見ても、自分の幸せを噛みしめる感性を持てることに、感謝しています。つまり、日々、食べることに困らない生活が出来てさえいれば、後は、その人の感じ方、考え方、そして生き方で、幸せにもなれれば、不幸にもなるものなのです。また、人間の欲は果てしないものでもありますが、それをみんなが追い求めれば、この世界に争いは絶えません。そして、いくら多く富を獲得出来ても、そのような争いの社会で、平和、平穏を脅かされて日々を暮らすことは、ちっとも幸せではないのです。
権力と富は獲得出来れば出来るほど、さらに欲が生まれ、それを追求すればするほど、敵が出来、争いを避けられないのです。権力を手にしたものは、いつ自分に取って代わるものが出るのではないか、自分を排除しようとするものが現れるのではないか、と不安に苛まれます。それで、さらに力を高めようとするのです。現代では、その最たるものが、核兵器のような人類を簡単に滅亡させられるくらいのものを追い求める所まで追い込まれてしまうのです。結局、欲望を突き詰めて来た結果が、自分自身も含む地球規模で破壊するようなものの獲得競争に行き着いてしまったのです。
この流れを断つには、我欲に従い行動するよりも、多くの人間が、共にある程度豊かな生活が出来るように、共生することしかありません。その為に、与え合い、助け合いがあたりまえの社会を目指すのが一番なのです。この地球は、太陽の恵みが隅々まで行き渡り、それをみんなで分け与えることが出来れば、みんなある程度豊かな生活が出来るのです。一部の誰かが富を独占するから、今のような飢餓も貧困も、そして戦争、紛争のある世界になってしまったのです。
自分だけ良ければという考えが、この世を、不穏な混乱の世界にしてしまっているのです。そして、世界全体を巻き込む大戦になれば、どんなに富を持っていようが、自由を謳歌することも、平穏な生活の中で幸せを感じることなど出来なくなるのです。貧富の大き過ぎる格差こそ、社会のすべての悪を生む根源であることを理解すべきです。
もちろん、私はそれぞれがきちんと働き、生産的な活動に従事し、弱いものや、病むものを支え合うことをベースとして、それぞれの頑張りに見合うだけの富を得られる社会であって、ある程度の格差は許容したいと思っています。それが無ければ、進歩が損なわれるからです。しかし、現在のような、極端な格差は是正する必要があると思っているのです。