またもや、イスラエル・米国が戦闘を開始しました。イランの核開発について、米国、イラン間で、何度か協議されていまして、次回の協議も決まっていた段階での突然の攻撃でした。詳細については、よくわからない状況ですが、お互いの論理が噛み合ってはいない感じがしていました。
どうして、話し合うことよりも武力を行使してしまうのか、このブログでも何度かテーマにして来ました。二者間での交渉では、お互いの主張が噛み合うことが難しいのがほとんどで、そのときに際して、権力者は武力を行使してしまうのです。
武力を使わずに、そのような状況を打開するのに本当に必要なことは、世界全体に及ぶ国際法ルールが実効的に適用されるようにすること、それをコントロールする機能が存在することだと思います。それにより、両者の言い分を吟味し、解決策を見出すことが出来ると思います。もちろん、そこまで作り上げることは非常に難しいとは思いますが、諦めてはいけないと思っています。
もう一点は、権力が限られた人間にだけに掌握されないようにすることが重要であると思っています。特定の人間に軍事的攻撃を始める権限があると、戦争であろうと開始しやすくなってしまうものなのです。その点が重要であります。私の根底にある考えは、人間は完全なひとはいない、どんなに優れたひとであろうと、間違いや誤りを行うことはあるということなのです。そんな人間に、生殺与奪の権利を与えてはいけないのです。
ですから、独裁やそれに近い状態は、民衆にとって有難くないことと考えないといけないと思います。ですから、そのような状態にならないように、法律やルールを整備しないといけないのです。そう言う意味で、独裁国家や一党独裁の国家は論外としても、民主主義を標榜している国家であっても、今のままのルールであれば、独裁的な状態を許容してしまうのです。
例えば、米国トランプ大統領もやりたい放題ですし、今回のイラン攻撃にあたっても、議会の承認無くしても、決定していたようです。そして、その権限の強さに、自分を見失ってしまうのかもしれません。そこで、多くの人間に対する生殺与奪の権利を持っていることに鈍感になってしまい、軍事行動を命じてしまうのです。今回、トランプ大統領は国民に向かって、負傷したり、亡くなった兵士に対し、国の為に犠牲を払った真のアメリカの愛国者と称え、追悼した上で、事態が終結する前に、さらに犠牲者が出ることを述べていました。本当は、このような賛辞など、兵士や家族は望んでいないのです。大統領や政治家達は、弾の飛んで来ないところで、美辞麗句を重ねるだけで、前線や戦地で、命のやりとりをすることがどれだけ辛いことかを心底には理解していないのです。もし、理解しているのであれば、軍事衝突の前に、もっとやれることがある筈なのだと思います。それぐらい国民の命を大事にする人間こそ、国民の上に立てる資格があるのです。
そういう意味で、高市政権も独裁的な色合いが出て来ていると感じています。ひとりの主婦が子供達を戦争に送りたくないとした、「#ママ戦争止めて来るわ」の一連のSNSでの騒動に関しての、国会での質問に対して、高市総理は、戦争は絶対に起こしてはならない立場は同じであるとしつつ、抑止力を高める為、防衛力(軍事力)の抜本的な強化をこれまで以上のスピードで進める、と答えました。また、別の質問で、国民が血を流す覚悟が必要といった自民党議員の発言に関し、高市総理は、国民の命と平和な暮らしを守ることは自衛隊の使命であり、ことに望んでは危険を顧みず、身をもって責務の完遂に努め、もって国民の皆様の負託に応えるという宣誓を行っています。つまり、国民の皆様のリスクを下げるため、自衛隊員が自らリスクを負います。と述べ、自ら率先して、血を流すのではなく、それが自衛隊の役目でしょと冷たく言い放ちました。自分達は特別な人間で、本当に戦うのは下々の兵隊でしょと聞こえませんか。
確かに、突然に不測の事態が起こり、それに対処するのは、自衛隊や海上保安庁の前線部隊であると思いますが、台湾有事のような場面で、国を守るためと言う錦の御旗を掲げて、軍事行動を命ずるのは高市総理以下政権ではありませんか。そして、それが簡単に出来るように、憲法にまで手を伸ばそうとしているのではないでしょうか。
戦争が起きないようにする為に、抑止力としての軍事力を今まで以上に高めたいとするのは詭弁であって、日々の戦略的な外交努力の積み上げで、戦争を避けるのが本筋ではないでしょうか。自分達にその知恵もないので、力に頼ろうとしているのでは、そのような人間に本当に子供達に血を流させないように出来るでしょうか。いくら軍事費を増やしても、それを担う兵士を増員出来なければ、猫に小判に成りかねません。今の日本で、率先してそのような政権の為に命をかけてもいいと思う人は少ないと思います。それならばと、外国から傭兵を雇うのですか、結局、徴兵して、若い人を戦地に送るのではないでしょうか。
いずれにせよ、トランプ大統領も高市総理も、神様ではありません。自分の弱さや過ちをきちんと補う為に如何に自分の国の知恵を結集して、最善の策を講じることが必要なのです。独善に陥るような、単独での判断ほど危ういものはないことを肝に銘じて欲しいのです。そのように自身を客観視出来ないような状態に陥らないように、どんな権力者であろうと、間違ったことは間違いと言える体制を作らなければならないのです。
そして、自分は特別な存在だと別格視し、下々の人間の命を危うくするような者達を信頼してはいけません。本当に信頼していいのは、自分の命をかけてでも、戦争を阻止しようとする人間だけです。