第二次世界大戦でナチスドイツが起こしたホロコースト、ユダヤ人の大量虐殺は通常の神経では考えられない程の残虐な行為が繰り返された訳です。ヒトラーやナチス幹部がユダヤ人をこの世界から抹殺すべきであるというとんでもない思想から起こされた行為であったのですが、ドイツの多くの国民もユダヤ人は殺されるのが当然だと感化されていたことも驚くべきことです。私の考え方から推定しますと、DEタイプの人間がそのような狂気を生み出したのではあると思いますが、多くのWEタイプの国民がそれを信じてしまったことに、人間の中に潜む悪を決して忘れてはならない事実として受け止めなければならないと思います(3. 非常におおまかだが、本質的なひとの分類を参照ください)。

 現在に至って、その被害者であったユダヤ人が建設したイスラエル国家は今度は加害者側となり、アラブの子供も含む一般市民を迫害している現実にも驚愕してしまいます。周辺のアラブ諸国との争いは年々増すばかりです。そして、まるで疑心暗鬼に憑りつかれたように、攻撃を繰り返しています。確かに、イスラム教武装勢力ハマスが起こしたイスラエル人の大量殺戮、誘拐の事件は起きてはならないものでしたが、このような被害を出さない為には、危険な芽はすべて叩き潰さないといけないという頑なな考え方が今回のイランやレバノンの戦闘につながっているのです。そして、その戦闘により、子供も含む多くのアラブの一般市民を殺傷しているのは事実です。ホロコーストの犠牲者であったユダヤ人が完全に反対の立場に立っているのです。

 イスラエルにはホロコーストは人類に二度と起こしてはいけないと考える少数派と自分達は二度と犠牲になってはいけないと考える多数派がいると言われています。これらの状況がイスラエルの現在の行動を支えていると言われています。

 同じようなことが、日本でも起こりつつあると思います。沖縄や広島、長崎を中心とする太平洋戦争の犠牲者、その子孫達は、どんなことになっても戦争を二度と起こしてはいけないと考える人がほとんどだと思いますが、一方、国を守る為には、軍事力を増強し、敵国が日本を攻撃するとの公算が高くなった場合は、国外であろうとも攻撃出来るように備えるべきだと言う構えの政府を中心とした権力側の人間達が存在しているのです。

 イスラエルや日本の一部も、戦争はしたくないが、自国を守る為には、敵を攻撃することはしようがないと考えているのでしょう。自分達さえ守られれば、敵国の一般市民の犠牲者もやむを得ないと言う極めて独善的な考えなのです。日本はまだそこまで追い詰められた状況にはありませんが、イスラエルの状況を見ていますと、いずれは、ネタニヤフ首相のような「敵を潰さなければ自分達がやられる」という強固な信念を持ったリーダー(高市首相がどうかはまだ分かりませんが、どうでしょうか)が日本に軍事的行為を推し進めて行くことは充分考えられると思います。

 私は、この考え方が世界から平和と秩序を遠ざけている元凶であると考えています。戦争の悲惨さを心底から理解しているものにとっては、どんな大義を作ろうが、戦争に至れば、誰も幸せになれないことを知っていると思います。つまり、敵味方ともに、そのことを理解出来ていれば、話し合いで戦争回避を実現することに全力をあげるべきなのです。それが多くの人民にとって最も幸いなのです。

 ホロコーストという人類史上稀に見る悲惨さを経験したものであっても、結局は自分達さえ良ければと考えてしまうと、その悲惨な事は繰り返されるのです。民族や国家や宗教などという便宜的な括りで物事を考えるようになれば、結局、味方と敵という関係から脱することは出来ない、つまり争いを断つことは出来ないのです。

 本質的には、どのような括り方をしても、どの括りの中にも悪を働くものはいるのです。ですから、我々が対抗しなければならないのは、自分達の権力や富を守るためには他の人々に残虐な行為が出来る一部の権力者なのです。本来、我々一般庶民は人殺しをするよりも、助け合い、分かち合い、日々平穏な暮らしを求めているのです。

 自分達さえよければと言う考えの先には、必ず悲惨な現実が待っているのです。逆に、虐げられる立場の身になって考えることを忘れてはいけません。少しでも多くの人間がそのことに気付けば、長い歴史に見られるような残虐行為を避けられる筈なのです。逆にそのことを忘れてしまうと、また残虐行為は繰り返されるのです。それを止められるのは、我々WEタイプの人間が、権力者の偽善、欺瞞に騙されないことなのです。

 ホロコーストや日中戦争、中東戦争の経験から言えることは、平常時には正常にいられる人間でも、ひとつ間違えば極めて残虐な行為を実行したり、見過ごせるようになってしまうことを決して忘れてはいけません。それが自分達に内在する悪だと言うことを。

 

投稿者

弱虫語り部

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