原則的に日本の国民全員が加入する医療健康保険は、世界に誇れる制度であると思います。その制度のお陰で、日本人は貧富の差も無く、ある程度の医療を受けることが出来ていると思います。しかし、今日、この保険制度は、慢性的な赤字体質を抱えていることもあり、医療サービスのいろいろな局面で多くの問題が噴出しています。

 その問題に対して、政府、厚労省が効果的な対応が出来ているとはとても言えない状況です。医療の質を上げる為には、医師や看護師の質を上げたり、高度な医療技術、医薬品を導入すべきだと思いますが、その為の支出は増加する方向になります。また、全国どこでも、ある程度等しい医療サービスを提供する為には、採算を越えた対応も必要となり、これも赤字の要因となっています。もうひとつは、保険が充実しているので、適切に医療機関を受診するというよりも、安易に医療サービスを受け易い状況もあり、特に、高齢者の医療費の負担がかなり重くなっているように思います。

 そして、今回、問題にするのは、医療機関側が、保険収入を上げるために、多くの検査、医薬品処方を出して凌ごうとすることです。病院では、利益を出す為の方策となると思いますし、一般的に開業医と呼ばれる、クリニック、診療所、医院では、個人収入を増やす為の方策としているようです。

 このことが、必要以上の保険費用を使うことにつながっています。最近、私の周りで聞こえて来る話なのですが、医師が検査をしたがり、その検査結果で基準値を超えると簡単に医薬品を処方してしまうと言うことです。特に変だなと思いますのは、一回の検査結果だけで、すぐに薬を処方するということです。もともと血液や尿の検査で、多くの検査項目を網羅出切るように技術は進歩して来ているのですが、多くの検査項目について、一応基準値なるものが制定されています。しかし、その制定に対しては、多くの学説があり、どう定めるかは、医療行政に関わる一部の医療関係者に委ねられています。その為、海外での基準値と異なることも多くあります。要は、ある程度どうとでもなると言えば、なるのです。医薬品メーカーと裏で癒着しているようなことがあれば、例えば、降圧剤の売上を伸ばそうと思えば、血圧の基準値を低く設定すればのいいのです。また、生体反応ですから、個人差も大きく、基準値を超えれば、必ず病気になるとは言えません。また、人間の状態は日々変化していますので、たまたま基準値を超えることもよくあることです。ですから、きちんとした医師なら、検査値の変位を追いかけて、その個人の状況について、少しでも正しい診断を下すようにしますが、よく聞く話としては、三か月、半年に一回検査したその一回の検査値が基準値を外れているだけで、薬を処方する医師がいると言うことです。

 また、高齢者に対して、検査をすれば、いろいろな検査項目で、基準値を外れるのは当たり前だと思います。人間の身体は何十年も働いていれば、少しづつ悪くなるのは当然なのです。それなのに、多くの項目で沢山の種類の薬を処方されている高齢者をよく見ます。食前、食後、こんなに薬を飲むのかと呆れてしまいます。これをきちんと飲む人もいるでしょうし、認知症が悪化している人では、飲み忘れが頻繁に起こることもよくあるのです。ようは、こんな対応をしていては、保険費用がどれだけ無駄に使われているか分かりません。それに薬は必ず副作用があります。体力的に弱者の高齢者が薬を飲み続ければ、例えば、腎臓や肝臓に思わぬ負担がかかることは容易に想像できます。それも検査値が致命的でも無い状況なのに、無理やり数値を基準値に押し込める為に、そんなリスクを負わす必要があるのでしょうか。

 日本の医療問題の氷山の一角をお話して来ましたが、根本的に何が問題かと言いますと、医療に関わる、行政、医師、医薬品企業に関わる人々が、困っている人々をどのように的確に助けるかという原点を忘れて、各々の利害で行動していることで、このような結果となっていると思うのです。以前のブログで述べましたように、医療行為を単にビジネス、お金儲けとしてとらえてしまうと、結局、一般庶民の健康的な生活が置き去りにされてしまうのです。民間に任せてしまうと、お金儲けが主になってしまうのです。だから、公的な対応が非常に重要なのです。そして、そこの対応を間違うと、せっかくの良い医療保険制度も、問題の塊になってしまうのです。

投稿者

弱虫語り部

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