障害者の雇用が一定以上の規模の企業の義務となり、まもなく従業員に占める割合が2.7%に引き上げられます。これに対応して、企業で雇用はするが、企業外で働き場所や業務を提供するサービスを担うビジネスが拡がりつつあります。これは障害者雇用ビジネスと言われ、例えば、企業が雇用契約をした障害者を農園で預かり、栽培業務に就かせたり、サトライトオフィスで預かり、企業のビジネスとは関係無いような作業に就かせ、その成果物を企業の福利厚生の一貫として、社員に配るなどと言ったことはするが、企業の事業収益に資することはなく、サービスを提供する会社は企業から管理料を得るような仕組みなのです。

 もともとこの法律は障害者を差別することなく、社会で活躍する場を増やしたいという目的で作られたものですが、それぞれの企業の求めている仕事の内容と障害者の出来る仕事が上手く一致している状態では無く、せっかく障害者を雇用したとしても、企業活動に活かせず、飼い殺しのような状態になっている現実から、このようなサービスを提供するビジネスが生まれて来たのです。

 企業としては、決められた割合の障害者を雇用する義務があるので、数字合わせとして障害者を採用しているので、本来の障害者を企業活動の中で、有効に活用することが出来ないという事情があるのです。

 例えは悪いかもしれませんが、婚姻率を高める為に、企業が所属する独身者をある割合以上に結婚させなければならないと言ったような法律がもしあったとして、それと同じような、数字さえ上げれば許されると言ったような感じがします。本来は、男女個人の合意を持って為すべき結婚を法律を盾に、企業が従業員に婚姻を強制するようなものだと思います。本来は、障害者と企業のニーズとシーズが合ってはじめて障害者が遣り甲斐のある仕事をやれ、充実した社会生活、会社生活を送ることが出来ると思います。それを雇用義務の数字だけ決めて、企業に課せるだけでは、上手く行く訳はありません。

 もともと、企業活動は千差万別なのですから、それを一律に雇用させようとすることはかなり無理があるのではないでしょうか。

 このような法律を作る場合、障害者がどのような仕事であれば出来るのであるのか、どのような仕事をしたいと思っているのかと言う調査をして、そのような職種をどれだけ持っているかという企業側の実態に合わせて、雇用の義務を課せるべきだと思います。もし、働きたい障害者の数と企業側の雇用可能な人数が合わなければ、一律に数字を課すだけでは、障害者の遣り甲斐のある職場など提供出来ずに、今回のようなことになってしまうのではないでしょうか。そのような場合こそ、公的なサービスとして、障害者の働ける場を作るべきだと思います。何でも民間に押し付けるのでは、真っ当な政治を行っているとは言えないと思います。

 私は、障害者、企業の立場に立って、どのような政策をやればいいかという血の通った活動をすべきだと思います。今回のような政策は、国民に対して、社会的弱者を支援しなければならないと言う建前を示して、体裁だけ整えているだけで、ちっとも障害者を活かそうとしているとは思えません。そのような法律を課せられた企業側としても、これもまた体裁を整えるだけで対応することになってしまうのです。

 政治家もお役人も、本来の狙いに即した方策を考えるのが本筋ですが、その知恵も出せずに、適当にお茶を濁すようなことでは、障害者も企業もどちらにとっても迷惑だと思います。

 

投稿者

弱虫語り部

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