人口減少の問題が叫ばれて久しいのですが、日本の都市部に近い、それまで農地や林や山の麓などで、未だに多くの宅地開発が行われています。また、駅近くの商業地なども、タワーマンションや小規模なマンションなどに姿を変えていく所も多く見受けられます。
特に、前者は、自然を破壊してまで、これ以上新たな宅地を増やすのは本当に正しいのでしょうか。土地のデベロッパーや住宅供給メーカーとすれば、宅地を増やし、家やマンションを建てて、それを販売することで、売上高、利益を伸ばそうとするのは当然かもしれませんが、そのような民間の利益を優先にし、このままそのような宅地開発を許して行っていいのでしょうか。
一方、もうひとつ大きな問題があります。それは、日本全国に増えています空き家のことです。私の住んでいます街にも、あちこちに空き家が放置されています。この日本では核家族化が進み、一代の家族で、子供達が成長すると家を出て、自分自身の家を新たに作ることが多いのです。そうなると、親が死んだり、介護施設等に入ると、親の家は空き家になってしまうのですが、子供がこの家を売却することが難しい場合があります。それは、相続税上、家を売却しても税金を払えないとき、または、その手間に比べて、相続額がたいしたことが無い場合など、相続を破棄することが多くあります。もちろん、そのような相続に対する意思や手続きをきちんとする場合はいいのですが、それが曖昧になったまま、宙ぶらりんになっている状態が続いていることも多くあるかもしれません。
いずれにせよ、このような空き家問題を放置していることが一番問題なのです。これまでは、民間の資産に関することなので、放置されていた傾向がありますが、事ここまで行ってしまっては、やはり、議会や行政が動かなければならないと思います。もちろん、空き家問題がクローズアップされて来ましたので、法律を改正しようと言う動きがあるのは知っていますが、問題はそのスピード感なのです。
今のようなスピード感では、空き家問題に有効な手を打てる前に、どんどん、日本の自然が開発されつくされてしまいます。その弊害は、災害問題、獣害問題、地球温暖化問題などとも強く関連していることを忘れる訳にはいきません。新たな開発を進めるより、空き家を積極的に再利用することで、家や建物を建てる土地を確保する方がいいと思うのです。何しろ、日本では、今後どんどん人口が減少していってしまうのですから。
昨今、豪雨や地震災害で、開発地に関わる盛り土や森林伐採による土砂崩れの問題が続いています。また、熊など鳥獣の生活圏減少、食料不足などにより、人間社会への悪影響も拡がっています。もちろん、森林が減ることによる自然の二酸化炭素吸収能力の低下も大きな問題となっていると思います。
経済発展優先で、利益優先の民間の思うままに放置していたつけが今ここで払わなければならなくなっているのです。このような問題、つまり民間任せにすることでとんでもないことにつながった経験として、化学物質汚染、公害問題などでも人類は大きな被害を受けて来たことは周知の事実です。
一方、空き家を放置することでも何もいいことはありません。治安問題、景観悪化の問題など、デメリットばかりなのに、どうして、思い切った手を打たないのでしょうか。議会や行政機関は個人の財産に手をつけることと言う、難しいのでやりたくない仕事を避けているとしか思えません。いくら難しいことであっても、国民全体の生活を守る為には、汚れ仕事であろうが、難しい仕事であろうが、敢然として対策を打つべきなのです。極端な例かもしれませんが、何年間か放置している家や建物は、国庫に没収すると言うようなことでもいいと思います。もちろん、そのまま利用出来ないような物件は、取り壊し費用が必要かもしれませんが、その再生させた土地を民間に払い下げることによる収入である程度は賄えるように思います。もちろん、一部は税金を投入することは必要かもしれませんが、前述したような多くの問題への対策としては、安いものです。
いずれにせよ、臭いものに蓋をしていては、日本の社会は益々酷い状態に陥ってしまうでしょう。